債券とは?初心者にも分かる仕組みと投資の基本
はじめに
「債券(さいけん)」という言葉は、ニュースや経済記事でよく出てきます。
国債や社債、地方債など、さまざまな種類がありますが、初めて聞くと少し難しそうですよね。
でも実は、債券の仕組みはシンプルで、「お金を貸して利息を受け取る」という形です。
この記事では、債券の基本、種類、メリット・デメリット、投資のポイントを分かりやすく解説します。
債券とは?
債券とは、国や企業、地方自治体などが資金を集めるために発行する「借用証書」のようなものです。
投資家は債券を買うことで発行者にお金を貸し、発行者は決められた期日(満期日)に元本を返し、期間中は利息を支払います。
債券の3つの基本要素
債券には必ず次の3つの要素があります。
- 額面(元本)
発行時の価格で、満期日に返ってくる金額の基準。 - 利率(クーポン)
元本に対して何%の利息が支払われるかを示します。例:年2%なら、100万円で年間2万円。 - 満期日(償還日)
元本が返済される日。
債券の種類
債券は発行主体や条件によって分類されます。
(1)国債
国が発行する債券。信用度が高く、低リスク。日本では個人向け国債もあります。
(2)地方債
地方自治体が発行。道路や公共施設の整備などの資金調達に使われます。
(3)社債
企業が発行する債券。信用力は企業によって異なり、利率も幅広いです。
(4)外国債券
海外の国や企業が発行する債券。為替変動リスクがあります。
(5)仕組債
株価や金利、為替レートなどの条件によって利息や元本が変動する複雑な債券。
債券のメリット
- 安定した利息収入
銀行預金より高い利回りを得られる場合があります。 - 元本返済の約束がある(原則)
株式のような価格変動が少なく、満期まで保有すれば元本が戻る可能性が高い。 - 株式より返済順位が高い
発行者が倒産しても、株主より先に返済を受けられる。
債券のデメリット・リスク
- 信用リスク
発行者が倒産すれば元本や利息が戻らない可能性がある。 - 金利変動リスク
市場金利が上がると、既存の債券の価値は下がります。 - 為替リスク(外貨建ての場合)
為替レートの変動で受け取る金額が減ることがあります。
債券価格はなぜ変動する?
債券は満期まで持てば額面が返ってくるのが基本ですが、市場で途中売却する場合は価格が上下します。
価格変動の大きな要因は金利です。
- 市場金利が上がる → 新しい債券の利率が高くなる → 既発行の債券の価値は下がる
- 市場金利が下がる → 新しい債券の利率が低くなる → 既発行の債券の価値は上がる
債券の購入方法
債券は証券会社を通じて購入できます。
国債や地方債は比較的少額から、社債は50万円〜100万円単位で販売されることが多いです。
また、債券投資信託を利用すれば少額から分散投資が可能です。
債券投資のポイント
- 発行者の信用格付けを確認(AAA〜Cなど)
- 利率だけでなく、償還日や金利動向を考慮
- 外貨建てなら為替リスクもチェック
- 複雑な条件の仕組債は初心者は避ける
まとめ
債券は「お金を貸して利息を受け取る」金融商品で、株式より安定的な収益を得やすい一方、信用リスクや金利変動リスクもあります。
投資のポートフォリオに組み入れることで、リスク分散に役立つ資産クラスです。
安定性を重視する人や、定期的な利息収入を得たい人に向いていますが、発行者の信用力や市場環境をしっかり確認して選ぶことが大切です。
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